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日本では高齢者は模範運転者 高齢運転者の名誉のために

2010/02/22

2009年3月公表された自動車安全運転センターのデータ表から年齢別運転者層の交通社会全体に及ぼす見地からの統計分析を行った。

次の第一当事者経験回数別運転者数表は「安全に必要な技能等に関する調査研究(Ⅲ)」の3-5-1-2表(東京・男性)[1]から移したオリジナルデータである。

一当者表

これから明らかに分かることは、後期高齢者(75-84歳)の”責任が重い事故遭遇率”はすべての年齢層の平均と変わりない(表の最右列)。総運転者数400万人余りの中で年齢層別当事者率は0.16%である。高齢者運転が社会に危害を与えていると云う証拠(エビデンス)は無いばかりか若年者層の約十分の一程度である。

この事実を承服できないと云う人は多いと思うが、これは高齢者が、就労世代の人に比べ運転頻度や運転距離等が極度に少ないことを考慮していない実態と異なる条件で漠然と見ているからである。

同様に表3-5-2-2を用い、違反回数も含め、各年齢層毎に運転者数10万人当たりに換算した運転歴状況を見てみた。以下のグラフは人数軸を常用対数に圧縮して表したものである。

事故・違犯対数近似曲線 このグラフから明確に分かることは、当事者事故の経験回数増にともなう運転者数の減少率は各年齢層で変わらないのに比べ、違反を検挙された度数歴は年齢層による変化に規則性が見られ、高齢者層ほど減少率が大きい、最高齢者層の違反回数の減少率は若年層の2倍ほど大きい(対数減少率-0.5 対 –1.1)。すなわち高齢者は再違反率が非常に少ないということが分かる。

以上から導かれる結論は

● 社会統計としてみる限り、高齢運転者の責任事故率は、他の年齢層と変わりなく、道路交通法規違反の繰り返しは高齢になるほど少ない。

● データで見る限り、高齢者は身体的なハンディキャップを補うだけの注意力と経験、自制力、法規順守により安全を実現している。

● 仮に後期高齢者全員の運転免許を取り上げても、日本全体の責任が重い交通事故の減少率は現在の0.2%以上は期待できない。

● 政府組織の機関や公益法人は、証拠による科学的な統計分析により社会の全体の安全を図るべきで、稀に起こる固有の現象に執着し一般化すべきではない。

● 高齢者に、間違った根拠で行われている運転教習を義務付ける不合理な法規は高齢者の人権侵害と社会的損失にしかならない。

安全運転センターの報告書では除外しているが、高齢者の道路歩行や、自転車交通は最も危険な交通手段であることは各種統計で確認されていることで、高齢者の運転免許更新のハードルを高くし高齢者を自動車運転から締め出すことは、社会全体としての交通事故が増加することはヨーロッパで証明されている[2]。

とはいえ、高齢化社会に向け高齢者の安全で有効な交通を援助するための運転指導と助言は必要なことである。それは高齢者の自発的参加により効果を期待できるもので[3]、現在行われているような自動車学校などの時代遅れのシュミレーターで仮想的な条件のもとに測定し10分の1秒程度の反応の遅れを高齢者に実感させることが実際の道路環境で安全に寄与するだろうか。これを実証する研究論文があれば教えてほしい。

[1] 安全運転に必要な技能等に関する調査研究(Ⅲ) 平成21年3月、自動車安全研究センター: http://www.jsdc.or.jp/search/pdf/all/h20_3.pdf

[2] 高齢運転者の免許更新制度のケース・スタディー ヨーロッパの場合: http://space-glow.spaces.live.com/blog/cns!A841E9CE14183CB0!169093.entry

[3] 高齢運転者の免許更新制度のケース・スタディー アメリカの場合: http://space-glow.spaces.live.com/blog/cns!A841E9CE14183CB0!169101.entry

2件のコメント leave one →
  1. 匿名 permalink
    2015/06/25 15:30

    警察は日本最大最強の暴力団です。常に権限拡大(オイコラ警察)とミカジメリョウ(反則金等)稼ぎを目論んでいます。税金で食っているので、少しばかり堅気の仕事もして世の支持を得るようにしていますが、基本的にはゴロツキヤクザです。高齢者講習も、アホな国民を騙して、ミカジメリョウ稼ぎが目的です。シートベルト取締りも、何ら他者に危害を及ぼさないのに、ただオイコラ警察復権の代物です。
    こんな日本警察、叩き潰し、撲滅しましょう。

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